2021/09/10
最近、シチズンの古い機械式時計を買いました。
セイコー5っていう1万円くらいで購入できる機械式時計の存在を知ったことがきっかけで、機械式腕時計に興味を持ち、何個か所有するようになりました。今回こちらが仲間入り。オークションで2000円でした。
メーカー | シチズン |
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機種 | ホーマーデイト |
製造年月 | 1967年12月 |
ムーブメント | 手巻き |
ケース横幅(リューズ含まず) | 37mm |
ラグ幅 | 18mm |
製造から52年。さすがにあちこちに傷、汚れが目立ちます。外装はこんな状態ですが、ゼンマイをまくと、チクタクチクタクと音を立てて動いてくれます。チクタクって時計の動作を表す擬音。機械式時計を持ってみて初めて分かったことなんですが、ほんとにリズム正しくチクタクって音がするんですよこれが!特にこのホーマーデイト、手持ちのセイコー5より音が大きめ。一生懸命頑張って動いてる感じがして、時を「刻む」って表現がぴったりと合います。
50年以上前のものが、普通に使えるレベルで動くのってすごいと思うんです。ゼンマイで動いているのが不思議というか、振りほどける力でギヤに動力を伝え、針が動いているって事を知った時、「メカ」としての面白さと、その歴史や積み重ねられてきた技術に魅力を感じてしまうんです。
手巻きなので、巻くときのジリジリって感触も、始動させるための一連の儀式って感じがして、これも機械式時計の楽しさの一つですね。
私は素人なので、メカに関するうんちくを語る事や、分解してのオーバーホール等メンテナンスは一切できません。自分でできることはただ一つ。
それは外装を磨く事!
ベルトを外してみます。結構な汚れですね。
裏側は無数の擦り傷があります。
中性洗剤を含ませたウェスで、汚れを拭きとってみました。汚れは取れたけど、傷はとれてないですね。
ケース部の研磨をします。 自動車の修繕で利用した研磨剤があったのでそれを使いました。Holtsのコンパウンドミニセット、近くのホームセンターで800円位だったかな。粗目⇒細目⇒極細という順に磨いていきます。
ウェスに粗目研磨剤を適量とり、側面を研磨。少し磨いただけで、既にピカピカになっているのが分かります。
続いて、細目でゴシゴシ。一心不乱にこすります。
最後は極細で仕上げ。カメラが映りこむほどにピカピカです。ここまでの作業時間、約1時間。
見違えるようにきれいになりました。
続いて、プラスチック風防を研磨します。結構傷が見えます。自動車の修繕で利用した紙やすりが、#600、#1000、#2000と3種類あったので、これを利用しました。捨てずに取っといて良かった。
600番で大きめの傷部分を中心に削ります。削ると白くなってしまいますが、仕上で元に戻るので、大胆に傷周りをゴシゴシ研磨。 真っ白で文字盤が見えませんね。大きく目立ってた傷が消えたことを確認し次に進みます。
続いて1000番で研磨。少し文字盤が見えるようになってきました。
続いて2000番で研磨。まだ透明には程遠いです。
コンパウンドの細目で磨きます。透明になりました。
コンパウンドの極細で仕上げです。ピカピカツルツルで、透明度合いが格段にアップしました。
作業前後の比較。傷が完全に消えました。全体的に黄ばんでくすんでいたのもクリアに。内部の小さなひび?は外からの研磨ではとれませんでした。これをなくすには、風防そのものを交換するしかなさそうですね。 光の透過度が上がり、シャンパンゴールドの文字盤が一層キレイに見えます。
新たに革ベルトを準備したので交換します。ヤフオクで700円でした。とにかくシンプルにしたかったので、Dバックルではない普通の尾錠タイプにしました。
クロコ型押しレザーって書いてるけど、皮の匂いはしないな(^^;)。値段が値段だし、合成皮かな?ばね棒とばね棒外しもセットされていました。時計用工具が一切無い初心者にはありがたいね。
とってもきれいになったので、記念に撮影しておこう。このために撮影特設ブースを手作り。パイプ椅子やら、洗濯ばさみやら日用品がゴロゴロ(^_^)。照明は自作LED投光器、下に敷いたのは白い布、レフ版は手元にあった白いリングファイル♪
こうやって撮影したのを見ると、高級品みたい。せっかくキレイにしたところですが、日常使いは考えてません。やはり古いものでいつ壊れるかわからないですからね。週末に気分転換につけたり、冠婚葬祭の時が出番かな。
日差はマイナス50秒。いくらアンティークとはいえ、動かなかったり、時間が狂うなら実用性無いけど、これくらいの差ならば問題無しです。 オールドメカニック時計と付き合うには、こういうもの、っていう古さの許容が必要だね。
自分の製造年月日より以前の時計が、こうして普通に動いてくれるのが嬉しいな。
初のシチズン時計。セイコーが好きだったけど、シチズンも同じくらい好きになったよ。