2021/09/10
山形県最上町にあった日本一太い松、「東法田の大アカマツ」。「あった」と過去形にしたのは、枯れてしまい伐採されたからです。伐採後どのようになったのか気になって、行ってみました。
過去何度か訪問し、2回書いた記事はこちら↓↓↓。
いままでの状況をまとめると以下の通りです。
- 2018年5月頃から葉が赤く変色
- 2019年8月「枯死」と判定される
- 枯れた原因は不明
- 2019年12月 県は天然記念物の指定を解除
- 2021年6月に伐採された
伐採のニュース
2021年5月にyahooに掲載された、伐採するという記事です。
2021年6月伐採の記事。朝日新聞デジタルより。
伐採後の現状
伐採するというニュースがでてからずっと気になっていたのですが、コロナの移動制限もあって、なかなか行けずじまいでした。今回やっと行くことができてどのような状況になったのか見てきました。
国道沿いの看板に「日本一のマツ」と看板があったのですが、白く消されて、松のイラストだけがありました。駐車場にあった木の看板には、日本一の大アカマツの文字がなくなっていました。
斜面全体が伐採してありました、ニュースだけみていると、大アカマツのみ伐採するものだと思ってましたが。大アカマツより下に扇状に斜面全体が伐採されていました。きっと、その大きさゆえに安全に倒すために、倒れる時に他の木を巻き込まないようにとか、重機が入れるように、他の木も伐採する必要があったのでしょう。
重機が入ったと思われる作業用道路がありました。
看板はそのまま残っていました。状況が変わっていて、「日本一」の文字の裏に見える木の切り株を見ると切なくなります。
作業用道路をひたすら登ります。
伐採跡。近くまで行くには崖登りと、藪漕ぎが必要そうだったので、行けるのはここまで。
切り株がひときわ大きいのですぐにわかります。伐採前のデータでは、幹回り8.56m。直径に換算すると、2.7mくらいありますからね。それは大きいですよね。巨大な岩のようにも見えました。ちょうど夕刻にいったので、夕日が当たって神々しくかがやいていました。
他の伐採した木と比べると、その大きさがわかります。2年前の夏(2019年8月)に登ったやぐらは傾いていました。
開けているので、良い眺望です。
登ってきた作業用道路。結構な急こう配です。
看板はそのままありました。
あとがき
枯死というニュースの後、伐採されるという情報が出てから約半年。その後どうなったんだろう、と気になっていた「東法田の大アカマツ」。実際に伐採跡をみてきました。以前訪問したときに、山をのぼり、中腹にそびえたつ大アカマツをみて本当に見事なものだなと感心したものでした。たくましく天高く枝を伸ばした状態は、神々しい・尊いという言葉がぴったり合う日本一にふさわしい大木でした。この地に根をはり600年の大アカマツ。地域住民に愛され大事にされて、そして僕に大きな感動をくれた東法田の大アカマツ。枯れてしまい、伐採跡をみると切なくなってきます。本当に長い間お疲れ様でした。ありがとうございました。最上町では伐採した大アカマツで、バイオリンなどの楽器を作る計画もあるとのことです。また別な形で会う事ができるという楽しみもあるので、引き続きウオッチですね。