2021/09/10
10月26日(土)に宮城県利府町にある、JR東日本新幹線総合車両センターで行われた、新幹線車両基地まつりにいってみました。前日まで大雨でしたが、当日朝には雨があがりました。
新幹線総合車両センターの役割
新幹線総合車両センターは、すべての検査を行うことが出来るJR東日本唯一の総合メンテナンス基地です。新しい車両技術の開発試験や計画の段階から、使用期間中保守・整備そして廃車まで、車両の一生(ライフサイクル)にわたって、新幹線総合車両センターはいろいろな役割を果たしています。
出典:PRコーナーの入り口パネルより
PRコーナー
鉄道模型コーナー。新幹線の模型は高架を走り、在来線は地面を走り実情通りにすみわけがなされていました。模型ではありますが、新幹線への差別化、こだわりを感じます。
現役新幹線の種類。E7系は見たことがないです。
200系の案内版。幼少の頃に、初めて乗った新幹線はこれでした。これで仙台まで行ったんだよな~。当時の事は今でも鮮明に覚えています、懐かしいな。団子鼻と丸いライトが可愛いです。
模型展示。Series E5。
Series E7。
Series E6。
車体工場
トラバーサーによる車両移動実演。トラバース(traverse):横切るってところからきているんだと思う 。車両はトラバーサーに乗って横移動して、目的の線路につくと、レールを進むところまで実演してました。
車体工場の隅にひっそりとあった解体場所。これらの車両はいまから解体されるんでしょうか。
組み立て工場
工場はとにかく広いです。端から端まで、2-300メートル位はありそうです。構内全体が、機械油の匂いがします。この匂いは嫌いじゃないですね。
工場内を移動するための自転車。小学校の時に、社会科見学でこの基地を見学した事があるのですが、職員が敷地内を自転車で走ってるのを見ました。
鉄道系のイベントではおなじみの、ミニトレイン。
運転席も立派です。
E5系のパンタグラフ。
スリ板といって、パンタグラフの上部にあり、架線と接触して電気を受ける部品だそうです。こすれる中央付近はこすれない端に比べて1/3くらいになっていました。約1か月でこの位減ってしまうそうです。E5系は東京から北海道まで走行距離が長いからなんだと説明を受けました。
主変換装置(CI)の展示。受電した交流電気を、コンバータで直流に変換し、その後インバータでモータを回すのに最適な、三相電源にする説明図です。大人になって、電気や機械の知識がついてからこういう説明を見るとよく理解できます。実は子供より大人のほうが楽しめる催しかも…。
モニタ表示器展示。これ、客車内でみるあれですね。
トラバーサーの中を通って、台車工場に向かいます。
台車工場
車両展示。新型車両のALFA-Xが展示されていました。ポスターにもパンフレットにも、この車両があるって事は載っていなかったので、これにはみんな驚いた様子でした。
ノーズが長いです。隣のE2系と比べると、2倍以上ありそうです。
前照灯部。LEDですね。1つのユニットに、10個のコリメータレンズが確認できました。これが片側2ユニット、左右で計4ユニットついてました。隣のE2系は運転席の上にライトがついているのに比べて、車両先頭についているのが大きな違いです。ノーズが長くなった分、光源も後ろになってしまうと暗くなるので、この構成にしたのでしょうか。リフレクタ型や、プロジェクター型ではこんなに細いデザインにするのは難しかったと思うので、LEDの特徴を上手く使っているなという印象です。
同じく車両展示。E2系とE5系が展示されていました。E5系を初めて見たときに、ノーズが長いって思ったけど、新型車両はもっと長いです。
E6系の台車。こちらはモーター付きの方です。
こちらはモーター無しの方です。
車輪の展示。車輪を削る前後の比較がありました。1軸の重量は約1.6トンだそうです。これだけで乗用車一台分です。
こちらは削った後。ピカピカですね。車輪を適正な形に保たないと、脱線してしまうと職員から説明がありました。特にフランジの形状が大事だと。
ブレーキ部品。日本製と、ドイツ製の2種類使われているそうです。
確か左側がドイツ製だったかな。右の方が日本製。
ブレーキの作業所。手前に「Japanライン」、奥に「Germanライン」があります。それぞれ国旗が一緒に印刷されていて、一目でわかります。
輪軸組み立て作業場。
こちらはモーターのようです。
車輪置き場。4段重ねが4列10行。ここだけで、おおよそ百数十枚の車輪です。一直線にきれいに並んでてすごいね。手で持てる重さじゃないから、機械を使って並べるんだろうけど。品質の良さっていうのは、こういう小さな事のつみかさねなんだろうなって感じます。
組みあがった輪軸。
異常のあるモーターのようです。異物混入による鉄心傷って書いてました。これから修理するのか、メーカーに修理に出すのか。
ここは池ではありません。台車交換作業場の、台車格納スペース。鯉の絵を描くとは遊び心がありますね。
台車交換実演。台車と車体は一本リンクという部品でつなげられるそうです。実演では、空気バネからエア漏れが無いかチェックしてたのですが、その方法は石鹸水を霧吹きで吹きかけてチェックしてました。すごく原始的って思いましたが、確実ですね。
台車交換実演でつかった、2階建てのMAX。下からみるとほんとでっかいね。
整理・整頓
工場内ですごくかっこいいって思ったのが、工具や道具の格納スペース。格納場所に道具のシルエットが貼られており、これなら迷いません。私はいつもあれどこ行ったっけって探し物も多いので、こういうの参考になります。
ブレーキ作業場所の工具置き場。置き場の上に、片付けの見本写真があるのが分かります。すごい徹底ぶりです。
掃除用具も例外ではありません。「ホウキ」「チリトリ」の文字がなんだかおしゃれに見えてきます。
外にて
新幹線を自宅で体感!って上り旗の下で売ってるのは、座席シートの生地から作り出した、スリッパやクッションでした。
こまちとMAXの連結。イベント用に特別に連結したみたいです。
入り口に展示してあった引退車両。
ヤフーのトップニュースで、ALFA-Xの記事が出てました。