2021/09/10
数年前にLED化しようと思って買ったあと、ずっとしまったままになってたマグライトソリテール。秋月電子の1.5V LEDドライバモジュールOELLPだと、電池一本で白色LEDを点灯できるようなので、これを使ってソリテールをLED化してみました。
OELLPパッケージ。値段は税込みで¥80。これなら失敗しても大丈夫。
作り方
どれくらい明るいのか、手持ちのFlux型LEDで試してみました。結構明るい!これは期待できそうです。
秋月電子データシート:OELLP
裏側。
ICを拡大。幅は3mm程で、0117と記載されています。調べてみると、CL0117 のSOT-23パッケージが使われているようです。
マイクロインダクタのカラーコードは黄-紫-黒-銀。47μHのものでした。
データシートより、電気的特性。LEDを並列に5個まで点灯できるようです。多灯の構成のほうが効率が良いってことなのかな?
データシートより、回路図。
今回使うLEDは、Osram Opto Semiconductor 社のSBLMA2.EMです。取り付けスペースと、上記電気特性から2つ使うことにしました。
Vf: 2.89 V、If: 65 mA、光束: 30.4 lm、長さ/ 幅/高さ: 2 mm/1.55 mm/0.75 mm
データシート:SBLMA2.EM
今回作った回路図はこのようになりました。
ソリテールのオリジナル部品を参考に今回作るコンバータ部の寸法を図1のようにしました。
A:8mm ±1mm程度の差なら、電池のスプリングでカバーできる。
B:2.5mm 点灯・消灯時のひねる量に関係。ここにリフレクタが接触し、スイッチを押し下げる。短すぎると消せなくなり、長いと多く回し点灯する。
C:4mm ワイド→スポット照射に関係。短いと少ない捻り回数でスポット照射になる。
D:3.5mm オリジナルは3mmぐらい。LEDの大きさの関係で、3.5mmとした。
E:5.5mm ボディから点灯部分を通すところ。
F:7mm ボディに納まるところ。
LED2つを並列にはんだ付け。
小さいのでなかなか大変でした。
CL0117は基盤から外すと壊れそうだったため、基盤を切ってはんだ付けしました。
点灯試験をしてみました。電池1本でかなり明るいです。LED側に流れる電流を測定してみたところ、50mAぐらいでした。1つ25mAぐらい流れてます。発熱はありませんでした。
コンバータを格納する容器を、プラバンで作成。直径おおよそ7mmです。
容器に点灯部品を入れて、エポキシ系の接着剤で固めます。LEDもエポキシ系の接着剤で補強しました。この状態から図1のサイズでボディに収まるように、やすりで形を整えていきます。
プラバンのケースがちょっと大きかったようで、だいぶ削ってやっと収まりました。
作成途中。オリジナル部品との比較。
LEDとはんだ付け。はんだ付けした周りを、再度エポキシ系の接着剤で覆い補強します。
完全硬化後に、やすりで削って形を整えて完成です。図1の寸法通り…とはいきませんでした。だいぶ歪ですね。特にDの寸法は3.5mmでは収まらず4mmくらい。LEDの幅が3mmで周りを樹脂で補強したので、そもそも3.5mmは無理な値でした。それにともない、リフレクタ側もすこし削り穴を広げました。
点灯部取り付け状態。
部品全体。
点灯
スポット状態にして撮影。かなりいい感じで明るいです。Vfが低いLEDをつかっているのがいいのかな?明るさは満足です。ちゃんとスポット、ワイド照射が機能しました。
前方から。
キャンドルモード。
比較用にオリジナルの電球でも撮影しました。1/30秒だと、真っ暗で何も写らなかったので倍にしてかろうじて写りました。明るさが全然違いますね。
オリジナル版のキャンドルモード。とっても優しい光です。
過去に作った作品たち。
改造材料費
- LED点灯モジュール OELLP: 80円 @秋月電子
- LED SBLMA2.EM 2個: 4円 100個リールで216円@マルツパーツ
- 2液混合エポキシ系接着剤 : 108円 @ダイソー
まとめ
- 秋月電子で購入のOELLPの中身はCL0117のSOT-23パッケージ。
- ICとマイクロインダクタの部品2点でこれくらいの明るさがでていることに驚いた。
- 昇圧回路のため、電池を最後まで使いきれて経済的。
- 直径7mmと小さなサイズに全て納める事ができた。難易度もそれなりに高かった。
- 寸法は設計通りとはならず、いびつな出来ばえだが、きちんと点灯するので良しとした。
- オリジナルの電球版に戻す事ができる。