2021/09/10
東芝の単一4本の懐中電灯K-1400をLED化してみました。実家にあったもので、使われずに棚の奥にひっそりとありました。物持ちいいな(^-^;。古いものも、ずっと捨てずにこうやってとってあります。電池が入っていない状況が幸いし、液漏れ被害はなし。リフレクタも傷がなくきれいな状態でした。
LEDが主流になったことで、このタイプの懐中電灯を見ることはめったになくなりましたね。
電球タイプ、優しい光を放ちます。大きいリフレクタは、遠くまで光を飛ばします。
作り方
本体は無改造として、元に戻せるようにします。昇圧DC-DCコンバータで、定電流回路を組んでみました。表面実装型のLEDを5個使うので、パターンを作りました。
四角く組立できるように、面取りします。
利用したLED。Lumileds LUXEON 3030 2Dを5個利用しました。このLEDの特徴は、2素子直列に配置されているので、電圧が倍の6V近くになるところです。主に照明器具や、自動車用LEDに用いられている製品のようです。
お店でジャンク扱いの物を購入したため、仕様やランクはわからなかったのですが、データシートがあり詳細がわかりました。65mAだと、60~70ルーメン位の明るさです。かなりの高効率のLEDですね。
パターンにそって、5つはんだ付け。組み立てて、直列になるように配置を考えました。
組み立て途中。接着剤で仮止め中です。スペース確保のため、ビニル線ではなく、ポリウレタン銅線(エナメル線)にしました。
中に放熱シリコンを充填して固めて接着しました。
LEDが5直列になるようにはんだで加工。オリジナルの電球部分に収まるように、アルミ板を加工してケースを作ります。LEDの+と-、DC-DCコンバータへ電源供給用の+と-合計4本必要です。
ケーブルを4本準備し、ケースをエポキシ樹脂で硬化させました。
後ろ側。
DC-DCコンバータは、トランジスタ技術にのっていた下記回路を参考にしました。利用したICは新日本無線のNJM2360ADです。秋月電子で70円でした。
実際に組んだ回路。6Vが5個直列なので、おおよそ、30Vぐらいまで昇圧します。電流は定格の65mAとなるように、電流制限抵抗は18Ωとしました。1.25V/18Ω=0.069A(69mA)という式で求められます。ICの5番ピンが1.25Vに制御されるようになっているためです。詳細はトランジスタ技術の上述したリンクに解説があるので読んでみて下さい。LED専用の回路ではなく、汎用のICなのでどうしても部品点数は多くなってしまいますね。
ブレッドボードで実験。充電式単三型電池4本で、電流65.5mAを記録。ほぼ定格通りとなって一安心。すごい光を放っています。
続いて電圧を測定。こちらは28.63Vを記録。1LEDあたり、5.73V位です。30Vを超えてくるかと思いましたが、超えませんでした。高効率なLEDであることがわかります。点灯部分の発熱ですが、じんわりと温かくなる状況でした。直列なので光ムラは無しです。
使った部品一覧。パーツケースにあるものを利用したため、参考回路通りではありません。2次側のコンデンサは30V位まで昇圧するので、余裕を見て耐圧50Vを選定しました。
DC-DCコンバータの部品配置を考えます。基盤は懐中電灯の中に納まるサイズにカットしました。
部品をはんだ付けして、DC-DCコンバータ完成です。
LEDをはんだ付けして完成です。
電球部分に取り付けます。
LEDがリフレクタ反射しているのが分かります。
点灯。
すげー明るい。
点灯
オリジナルの電球。
今回作成したLEDを取り付けて撮影。リフレクタへの反射もあって、中央が明るいスポット照射となりました。
LED1つあたり、60~70ルーメン位なので、300ルーメンは超えているかな。大きなリフレクタで光を遠くにとばします。外観からは想像できない爆光ライトとなりました。
庭木を照射。遠くまで光が届いているのがわかります。
あとがき
- TOSHIBAの単一4本タイプの懐中電灯をLED化。
- 本体は無改造として、電球部分を交換して対応。電球に戻せる。
- DC-DCコンバータで昇圧定電流回路を作成。
- ICは新日本無線の2360ADを利用。DC-DCコンバータICとして定番ということもあり、データシート、アプリケーションノートが公開されており、作成事例もネット検索でたくさんみつかる。
- LEDはLumileds Luxeon 3030 2Dを5つ利用。高効率で明るい。色味もナチュラルな白で見えやすく、好きな色である。色温度が高い青白いのは見えづらく感じる。
- 大きなリフレクタと、300ルーメンオーバーの大光束。遠くまで光が届き、とても明るい。