2021/09/10
SONYが懐中電灯を作っていた、と聞くとちょっと驚きですよね。あのXperia・BRAVIAのSONYが、懐中電灯???って感じです。
数年前に、中古雑貨屋で見つけて珍しいなと思い買った後、ずっと使うことなくしまったままでした。荷物の整理をしてて出てきたので、LED化したら面白いかなと思って改造してみました。型番が記載されてないのでSONY懐中電灯のキーワードで調べてみましたが、判明せず。レトロなので、もしかしたら価値が高いものかもしれないと思い、本体はいじらずに電球だけ改造する方法にしてみたので、紹介します。
黒いボディにオレンジ色のスイッチ。この辺のデザインはさすがSONYという感じで素敵です。
作り方
単一電池2本から、LEDの点灯電圧を得るためにDC-DCコンバータを作りました。豆電球と同じサイズにする必要があったため、利用できる部品は限られてきます。以前作った作品で大きさと性能共にいい塩梅であった、出力電圧が3.3V固定されるPFMステップアップDC-DCコンバータHT7733Aを利用しました。
利用したLEDは日亜化学工業のNFSW036CT。0.5Wのセミパワー型です。データシートを見ると、3.3Vでおおよそ60~70mAくらいなので、HT7733Aの最大電流200mAを考慮し3つ利用することとしました。
利用したLED:NFSW036CT 3個
IF:150mA、Vf:3.5V、光束:30.3lm、外形:3.5mm角
データシートより。3.3V付近をみると、おおよそ70mAくらいか。
HT7733Aデータシートの回路図。コイルとショットキーバリアダイオード、コンデンサ2つが必要になります。
実際に作成した回路図。HT7733A以外は、パーツケースにあったものを利用したました。データシートの回路図とは異なりますが、正常に動作しました。
いらない電球を割って、口金部分を利用しました。元々ついていた電球は2.5V0.5Aのものです。
利用した部品一覧。HT7733A、タンタル型10μFのコンデンサ2個、33μHのコイル、ショットキーバリアダイオード11EQS04、チップ型LED3個(NFSW036CT)。
LEDを並列に3個はんだ付けします。電子工作ではおなじみの抵抗の切端をつかい、豆電球と同じ直径になるようにLEDを配置しました。横方向に光を飛ばして、リフレクタに反射させて、前方を照射する方針です。
続いて、DC-DCコンバータ部分。豆電球の口金に入るように、配置を考えて部品同士を直接はんだ付け。パズルのように空いたスペースに上手く配置できました。
LEDとDC-DCコンバータをつないでの試験。LED3つで、おおよそ160mA位でした。1つ当たり53mA位ながれていますね。明るさはまあまあかな。1時間位つけっぱなしにしてみたところ、LED側の発熱はありませんでしたが、DC-DCコンバータ側がほんのり温かくなる程度でした。発熱があったら、放熱シリコーンで固めようかと考えてましたが、放熱対策無しでも大丈夫です。
LEDとDC-DCコンバータと口金をはんだ付け。LEDの位置は、リフレクタと合わせてみて、遠くに光が届く位置に微調整した結果、こうなりました。
すっぽりと収まるように調整しました。
エポキシ系の接着剤で固めて完成です。電球のように丸く仕上げたかったのですが、ジャガイモのようにいびつになってしまいました。性能には影響ないし、まぁいいか。豆電球とほぼ同じサイズに仕上がりました。
部品全体。
作成したLED豆電球をつけたところ。リフレクタに反射して、LEDが見えます。
点灯
オリジナルの豆電球と、作成したLED電球で比較してみました。明るくなったのはいいのですが、リフレクタに反射した光がうまくまとまらず、広がってしまったところが少し惜しいところです。
反射しているのがわかります。
あとがき
- 本体は無改造で、豆電球のみLED化することができた。
- 元の豆電球にも簡単に戻すことができる。
- 明るさには満足であるが、リフレクタに反射した光がまとまらないところはもう少し微調整すればよかった。
- 昇圧回路なので、電池を最後まで使えて経済的。